利休屏風　寿松(白)

鳥の子和紙に力強く活き活きとした松を描いた、箔一の代表的な屏風です。

背景は、下から筒振り技法で砂子を吹き上げて躍動感を感じさせる仕上がりになっています。下の粗い砂子から天に向かうにしたがい細かくなっており、松の足下に漂う朝もやにも見え、波にも見えます。水墨画の手法で使われるように、間をもたせ具体的に描かないことで、見る人の想像力をかき立てる描き方をしているのが特長です。

対照的に松は光沢をしっかり出し、背景から浮き立つように見える技法で表現しています。押し紙の上から立体感のあるテクスチャーを出す特殊な材で松の幹、木肌、青々と生い茂る松葉の様子を描きます。金箔一色となるので、質感だけで描かれています。その上から筆で丁寧に接着液を塗布し、金箔を貼り松を表現しています。

松は、冬でも青々とした葉をつける事から不老不死や繁栄の象徴とされおり、年中飾っていただけます。